本書に書いている内容を忠実に実行すると、これまでの採用活動と違い、条件に興味を持つのではなく、会社の考え方と方向性に共感する応募者から応募があるようになります。
弊社のお客さまは、親御さんから、「ぜひ、ウチの子を受けさせたいです」といったメッセージもよくいただきます(自分の進路を自分で決めないのをよい悪いは別にして)。
あなたの会社もこの章で学んだ求人募集の方法を活用すれば、応募者は会社で自分が働くイメージを明確に持って応募してくるのです。
これは非常によいことですが、もし求人募集時に伝えた内容と、実際の仕事の中身が違ったら、応募者はどう思うでしょうか?そうです。
「あれ?全然違うよこの会社」となりますよね。
そうなれば、応募者は危険を感じ、選考辞退をするのです。
求人募集時に応募者が感じた印象と、実際に会社に来てみて感じた印象にギャップがあれば、選考中の辞退や内定辞退が起こります。
さらに、選考中と入社後で応募者が感じた印象にギャップがあれば、入社後、すぐに退職します。
選考中の辞退が多い会社や、入社後の退職が多い会社は気をつけなければいけないこと。
それが、・外部に発信しているメッセージと社内の実情のズレ・社長と社員の意識のズレなどです。
選考中の辞退や内定辞退、入社後すぐの退職が多い会社に共通している点はこの「ギャップ」なのです。
そして、そういった会社の求人募集や選考時に応募者に伝えている説明内容などを、働いている社員が聞くと「全然違うよ。うそばっかり」と感じてしまいます。
試しに求人ページを社員に見せてみてください。そして、率直な感想を聞いてみましょう。
もし、外部に発信しているメッセージが、経営者の本音だとすれば、それを社員に何度も伝えて理解してもらう必要があります。
そうしなければ、採用された人が入社した後に、「だまされた」と思うのです。
会社のいい面ばかりを見せて、悪いところをひた隠しにし、応募者をだまして入社させても、結局すぐに退職するので自社の首を絞めるだけです。
そもそもそういった採用方法は詐欺ですからね。結婚詐欺ならぬ「採用詐欺」です(笑)。
そうならないためにも、外部にメッセージを発信するときには、同時に社内の社員の意識統一にも取り組みましょう。
片方にだけメッセージを発信しても、ギャップが生まれるだけですから。
風通しがいいと求人募集に書いたのなら、社員も共感するようにしなければいけませんし、提案を受け入れる風土があると書いたのなら、同じく社員が提案できる風土がなければいけません。
新しく人を募集するにしても、その募集の理由をしっかりと伝えましょう。応募者は「すぐに人が辞める会社なのかな?」と常に疑っています。
会社に関する情報を徹底的に提供し、そういった不安を解消してあげて、自分の居場所がそこにあると思ってもらうのが、求人募集の本当の目的です。
応募者は賢く、うそはすぐに見抜きます。キレイごとを書いても意味がありませんし、印象に残りません。
しかし正直に自分の会社にまだ足りないところを書いたりすると、それは応募者の心に伝わります。求人募集は究極的には、等身大の会社をあますことなく伝えることです。
それにより、本当に会社に合った人材と巡り会うことができるのです。ブレない軸を会社と経営者、社員が身につけて、それを効果的に発信することでカッコイイ会社になります。
どんな会社でも、自社を見つめ直すと必ずいい点や誇りに思えることが出てきます。そういったものを見つけたら、ぜひ大切にしてください。そういった軸を大切にするのが「永続する会社の姿」です。
【■POINT■求人募集は等身大の会社の考えを伝える場である。】
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