即戦力人材というと聞こえはいいですが、「インスタント人材」という言葉でも表すことができます。
業務経験や専門知識が深いために、入社後の立ち上がりが早く、すぐに活躍できるであろう人材。つまり、採用側からすると、あまり教育しなくても、すぐに仕事をして成果を出してくれる人材です。
このように「即戦力」ではなく「インスタント人材」といったイメージの悪い言葉を使ったとしても、即戦力人材と何が違うのかを、明確に回答できる経営者は少ないと思います。
そんなインスタント人材を求める理由を経営者にヒアリングすると、このような回答がよく返ってきます。
「一から教育する余裕がない」実は、この発想は非常に危険です。「教育する余裕がない」というのは、無意識の中で「教育する気はない」とほぼイコールな場合が実際は多いのです。
ここで気をつけるべきは、そもそも「余裕がない」とは何がないのかということです。
お金がないのでしょうか?
教育する人が足りないのでしょうか?
欠員補充だから、前任者の仕事がたまっているのでしょうか?時間がないのでしょうか?
その場合、さらに細かく落とし込んで考えてみましょう。
お金がない理由、教育する人が足りない理由、前任者の仕事がたまっている理由、時間がない理由…と論理展開していくと、経営上の課題がいろいろと見えてくるかと思います。
こうなってきますと、それらの「本来であれば自分の会社の問題」を、採用しようとする人材に押しつけようとしているように思うのは私だけでしょうか?このような、採用した人の教育を放棄する意識が少しずつ会社をむしばみます。
これまで多くの経営者と会ってきましたが、社員の定着率も高く、会社の業績もよく、人材不足に悩んでいない中小企業の経営者ほど、中途採用においてはインスタント人材(即戦力人材)にこだわっていなかったことをお伝えいたします。
【■POINT■即戦力を求める心の中を論理展開していきましょう。】
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