目次
◆第4章 第1節による心得
●原文引用
聖バガヴァットは告げた。
「私はこの不滅のヨーガをヴィヴァスヴァット(太陽神)に説いた。ヴィヴァスヴァットはそれをマヌ(人類の祖)に告げ、マヌはそれをイクシュヴァーク(王名)に告げた。」(第4章 第1節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「私はこの不滅のヨーガをヴィヴァスヴァットに説いた」
→ 私(クリシュナ)は、この永遠不滅のヨーガ(霊的な修行と叡智の道)を、太陽神ヴィヴァスヴァットに教えた。 - 「ヴィヴァスヴァットはそれをマヌに告げ」
→ ヴィヴァスヴァットはそれを人類の祖であるマヌに伝えた。 - 「マヌはそれをイクシュヴァークに告げた」
→ マヌはその教えを、太陽王朝の王イクシュヴァークに伝えた。
●用語解説
- ヨーガ(योग / yoga):ここでは神との合一、永遠の法に基づく生き方・修行の道を意味する。
- 不滅のヨーガ(avināśi yoga):時間や状況に左右されない、普遍的な霊的実践の教え。
- ヴィヴァスヴァット(Vivasvat):太陽神。光と叡智の象徴。万物に生命を与える存在。
- マヌ(Manu):人類の始祖であり、宗法(マヌ法典)の制定者とされる。
- イクシュヴァーク(Ikṣvāku):マヌの子孫であり、ラーマ王の祖先にあたる古代王。太陽王朝の始祖。
●全体の現代語訳(まとめ)
クリシュナは語る。
「私はこの永遠なるヨーガの教えを、かつて太陽神ヴィヴァスヴァットに伝えた。ヴィヴァスヴァットはその叡智を人類の祖マヌに授け、マヌはそれをイクシュヴァーク王に伝えたのだ。」
●解釈と現代的意義
この節は、「霊的な真理は人類の黎明期から継承されてきたものである」という重大なメッセージを持ちます。
神聖な知恵(ヨーガ)は、宇宙的な存在(太陽神)から人間の祖先(マヌ)、そして国家を治める王(イクシュヴァーク)へと伝えられてきたという流れは、叡智はまず光(ヴィヴァスヴァット)に宿り、それが人間社会の秩序(マヌ)を通じ、現実世界の統治者(イクシュヴァーク)へと活かされるべきものであることを示します。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
経営理念の継承 | 偉大なビジョンや理念は、創業者の霊感(光)から始まり、それを実務(秩序)に変え、さらに組織(統治)へ伝えるべき。 |
経営哲学 | 真の経営哲学とは、時代を超えて伝承されるべき叡智であり、目先の利益とは無縁のもの。 |
企業文化 | 上に立つ者ほど、歴史ある教えの本質を受け継ぎ、それを体現する義務がある。 |
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