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【3-43】 最終的教訓:自己を確立し、欲望という敵を打ち破れ

目次

◆第3章 第43節による心得

●原文引用

「このように、思惟機能よりも高いものを知り、自ら自己を確固たるものにして、勇士よ、欲望という難敵を殺せ。」(第3章 第43節)


●逐語訳

  • このように:前節までで語られた意識の階層(感官→思考→思惟→真の自己)を理解した上で。
  • 思惟機能よりも高いもの:すなわち「アートマン(真の自己)」。
  • 自ら自己を確固たるものにして:感覚・思考・理性の働きに惑わされず、アートマンとして自己を確立せよ。
  • 勇士よ:アルジュナへの呼びかけ。人生という戦いに立つ者への励まし。
  • 欲望という難敵を殺せ:内面の最大の敵である「欲望」を、智慧と自己制御によって克服せよ。

●用語解説

  • 思惟機能(ブッディ):理性的判断・知恵を司る働き。
  • アートマン(ātman):思惟機能を超える、不動・純粋な「自己の本質」。
  • 欲望(カーマ):執着・衝動・貪欲など、自己の混乱と破滅の元凶。
  • 難敵:外の敵ではなく、内なる敵としての「欲望」が最大の障害とされる。

●全体現代語訳

だからこそ、理性よりも高い真の自己を知り、その自己にしっかりと立脚しなさい。
そして、アルジュナよ、そのうえで「欲望」という強力な敵を打ち倒しなさい。


●解釈と現代的意義

この節は、『バガヴァッド・ギーター』第3章の集大成として位置づけられます。
ここで語られるのは、**外界や感情に振り回されることのない「自己に立脚した生き方」**です。

思惟機能(理性)すら超える「真の自己=アートマン」に根差すことによってのみ、
欲望という最大の内的敵を根源から克服できるという、実践的かつ精神的な教えです。


●ビジネスへの応用

ビジネス状況応用ポイント
利益や成果への執着欲望ベースの判断は、視野狭窄や長期的損失を招く。自己に立脚することで判断が安定する。
自己確立とリーダーシップ他人や外部状況に流されず、軸のある判断ができる人が真のリーダー。
内的葛藤への対処欲望や衝動は「敵」と認識し、理性を超えた「自己の静けさ」から対応することで、克服可能。

●ビジネス心得タイトル

「真の自己に立脚し、欲望という敵に勝て」


この節で、第3章の主題「行為の正しい在り方」「欲望の克服」「真の自己の認識」は一つに統合されます。
まさに「行動するヨーガ(カルマ・ヨーガ)」の実践的指針ともいえる内容です。

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