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返報性の原理

これは賛否両論があるのと、表面だけを見られかねないので、書こうかどうか迷ったのですが、採用や定着率とも大きくかかわるので、思い切って書きます。

あなたは「返報性の原理」という言葉を聞いたことがありますか?これは、「人は他人に対して借りを作ってしまうと、そのお返しをして、自分の中の心の負担を消そうとする」という人間心理です。

例えば、付き合いのあるご近所の人や友人から旅行のお土産などをもらったら、普通の日本人の精神ですと、お土産までいただいて申し訳ない気持ちと共に感謝しますよね。

そして、相手に対して「何かお返しをしなければ」という気持ちが働き、次の機会にその人にお返しの品を渡したりしませんか?このように「人から恩を受けたら、返さないといけない」という心理が返報性の原理です。

家庭環境にもよりますが、ほとんどの人が、子供のころからこのような教育を受けています。

まさか、「向こうが勝手に持ってきたんだから、お返しなんか必要ない。そんなもの気にしなくていい」というような教育を受けて育った日本人は少ないでしょう。

「他人から受けた恩には、お返しをしなければいけない」という心理が働く「返報性の原理」は日本人同士がいる場ではどこででも起こります。

当然ながら、職場でも返報性の原理は起こっています。

職場の教育という場面でも、スタッフが「○○さん(経営者や上司)が自分をここまで育ててくれたから」「自分の今があるのは、会社(経営者や上司)のおかげ」「よくしてもらっている(自分に投資してくれている)」と感じると、スタッフも返報性の原理により、仕事を通じて恩返しをしなくてはいけない気持ちが働きます。

これは会社を辞める七つの理由の「従業員満足度」とも関係しますが、人は会社や上司、経営者への感謝があるから一生懸命に働くのです。

感謝がなく、生活のために働いているだけであればいつか辞めます。だから、恩を着せるというと言葉は悪いですが、感謝をしてもらえるよう会社として努力が必要なのです。教育(教えること)は感謝と深い関係にあります。

スタッフは、あなたの会社に感謝していると思いますか?一度、考えてみましょう。

ここで経営者がよく間違うのですが、「給与を払っていることは返報性にならない」ということを知る必要があります。ですから、給与以外のものを与えることが大事です。

仕事だけではなく、人間的成長を手助けできればよいのです。

この返報性の原理に関しては、コンサルティングをしているクライアントにだけお話してきました。

スペースの関係上、説明が足りずこのようなことを書籍で書くと、スタッフの心を転がしているように思うかもしれません。

しかし使う・使わないは別としてこの心理は知っておくべきです。ただし、このような返報性が働かないスタッフもいます。

「(社員なんだから、働いているんだから)何でもしてもらって当然」という気持ちを持っている、通称「当然族」です。こういう人は、会社の中で不満分子になりやすいので、選考の段階で採用してはいけません。

人への感謝という当たり前のことができる人かどうか、面接などの選考を通じてしっかりと見きわめましょう。

【■POINT■教育や信頼で返報性の原理を働かせ、定着率の改善をはかろう。】

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