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気が利く力

「気が利く力」も全業種、全職種に関係する重要な能力です。ぜひ、求める人材像の中に入れることをおすすめします。

「気が利く人は採用したくない」という会社は皆無でしょう。

例えば、女性の一般事務職を採用しようとしている際に、「気が利く」という採用基準をあげられる経営者もいます。これは非常によいことです。

しかし、女性だけでなく「男性でも気が利くかどうか」は大事なポイントです。仕事ができる人というのは、基本的にこの「気が利く力」を持っています。

では、いつものように質問です。気が利くとはそもそも何でしょうか?ゴマをすることとは違います。

この気が利くという言葉も抽象的ですから、もっと分かりやすい言葉に変えてみましょう。

気が利く人というのは、「相手が次に何をしたいのか、どういう行動をするのかを予想し、先回りして対応できる人」のことを指します。

私生活での簡単な例をあげれば、エレベーターに両手が荷物でふさがっている人が入ってきたら、この人は行き先ボタンを押せないと瞬時に理解し、「何階ですか?」と聞いて押してあげる人も気が利く人です。

電車で妊婦さんが乗ってきたら席を譲る人も気が利く人です。気づいても言わない人や、何もしない人は、行動がともなっていないので、気が利くとはいえません。

これが仕事上だとどうなるかといえば、ポイントは同じです。チーム内のほかの人が次に何をするか理解し、その人の先に行動する人がいます。

人の行動を予想して、その人が仕事をやりやすいようにしておく人がいます。他人の先を見ることができる人が気が利く人です。

気が利く人は、人のために行動できる人です。

逆に気が利かない人とは、他人の気持ちを読めない人や他人のために行動できない人のことです。

お客さんから見た場合、どちらのスタッフに接してもらったほうが心地よいでしょうか。上司であれば、どちらの部下を持っているほうがよいでしょうか。逆にどちらを上司として、尊敬することができるでしょうか。

あなたも自分の仕事を優先するばかりで、ほかの人の手助けやサポートができない人を、職場で一人くらいイメージできるかと思います。

はっきり言いますと、気が利かない人は視野が狭いために、残念ながら、あまり伸びません。

チームメンバーとして一担当者になれても、チームリーダーにはなれないタイプであることが多いのです。

空気を読めない人のことを指す「KY」という若者言葉が二〇〇七年ごろから使われるようになりましたが、気が利かない人のことも暗に指しています。場の空気を読めない人は、職場でも浮いてしまいます。

専門スキルが非常に高ければ、職種によっては空気を読めなくても活躍できるかもしれませんが、ごく一部で、私はまだ見たことがありません。

結局、同僚などからもよく思われていないことも多いのです。

選考においては、『採用の教科書1』で書いたように「気が利く人を見抜く」のではなく、「気が利かない人」を見るようにすれば、比較的、面接官としての経験が少なくても、見やすくなります。

面接で気が利かない人、場の空気を読めない人だと判断できた場合は、不合格にしたほうが、会社の将来のためになります。気が利く力はそれほど大切なスキルです。

しかし正直言って、この「気が利く」人かどうかを、面接の場だけで見抜くのは難しいことです。

面接だけで見ようとすれば、失敗するかもしれません。なぜなら、面接では、面接官が動くことはないので、確認しようがないのです。

しかし、「選考全体を通じて見る」ということは可能なので、面接にこだわらないようにしましょう。

たとえ、面接官として非常に高いスキルを身につけたとしても、面接は万能ではありません。

こういう面接の場面だけで見ることが難しい能力は、面接だけで見ることをあきらめればよいのです。

後ほどご説明しますが、中小企業だからこそできる「食事面接」を導入し、そこで見るようにしましょう。選考=面接というような常識にこだわる必要はありません。

採用の目的を達成するためには、これまでと同じ選考方法では難しいと気づく必要があります。

【■POINT■気が利かない人を不合格にする。気が利くスタッフが増えれば組織はよくなる。】

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