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□リーダー経験

「リーダーシップをとれる人材が欲しい」という言葉も経営者からよく聞きます。

言葉で言うのは簡単なのですが、そもそもこれはどのようなことでしょうか?教科書的な回答でいくなら、「ある目的に向かって、ほかの人の行動を喚起できる影響力」と言えますが、実際のところ、定義はさまざまです。

リーダーシップとは、技術的なものだけではなく、人間的にも魅力的である必要があります。では、魅力的とはそもそもどういうことなのでしょう。

周囲が尊敬したり、服従したり、納得したり、奮い立ったりするには、どんな能力が必要なのでしょうか?はっきり言いますと、面接という短時間で、論理性のない人が論理性に関して見抜けないように、コミュニケーション力のない人がコミュニケーション力に関して見抜けないように、リーダーシップのない人が、リーダーシップがあるかどうかを見抜くことはできません。

よって面接官の選定も重要です。

リーダーシップがある人を社内で面接官として起用できていますか?その人がなぜリーダーシップがあると判断されるのか、能力や行動を分析できますか?これは正直に言って、難しいでしょう。

紀元前三〇〇〇年ごろから、リーダーとメンバーを意味する象形文字があったほど、昔からリーダーという役職は存在していたのですが、リーダーシップという言葉は、十九世紀中ごろになってやっと用いられるようになりました。

これは、たった四ページの本項を読んで答えが出るほど、簡単なものではありません。

しかし、P・F・ドラッカーが、著書『未来企業』の中で、リーダーをこう一言で説明しています。

「信頼がない限り従う者はいない。そもそもリーダーについての唯一の定義が、つき従うものがいることである」結果を見れば、まさにこのとおりです。

管理職を採用しようとする多くの企業は、本人にリーダーシップがあると思い、採用後に、実際にリーダーとして役職につかせてみて、部下の感情やチームの成果で判断をします。

そして多くの場合、失敗します。

リーダーとして活躍できるリーダーシップのある人は、即戦力人材を求めるより難易度は高く、中途採用の市場になかなか出てこないのです。

また、前職でリーダーシップを発揮できたとしても、それは、前職の部下と信頼関係ができていたというだけで、転職先でもリーダーシップを発揮できるかどうかということは、現場にいる部下の能力や個性、社風も影響してきます。

ですから、多くの場合、マネジメント層の人間を中途採用で雇っても、なかなか成功していないのです。

リーダーは基本的に、信頼されている既存社員から選ぶか、せめて中途入社して半年~一年以上経過し、同僚からも信頼されている人を抜てきしましょう。

外部から雇って、いきなり部下がつき従うことはありません。しかし、スタッフ採用時には、「リーダー経験」を求めることを私はおすすめいたします。

「メンバーならリーダーシップはいらないのでは?」「リーダーだけがリーダーシップがあればよいのでは?」と思うかもしれませんが、リーダーシップではなく、リーダー経験です。

十人のメンバーがいて、リーダー一人+リーダー経験のない九人というAチームと、リーダー一人+リーダー経験のある九人のBチームなら、実はBチームのほうが圧倒的に成果を上げやすいのです。

Aチームは、会議でも個人的な見解で否定や文句が多く出ます。リーダーはチームをまとめるのに非常に苦労するでしょう。

意見の内容は正論かもしれませんが、物事が前に進まない発言も多く、メンバー個人にとって面倒くさいことは後ろ向きになりやすいのです。

「リスクにばかり目を向ける」「完ぺきでなければ動かない」「期限やコスト意識が低い」「しない」等、障害はさまざまです。

これは、「リーダーとして苦労をした経験がない」から起こることです。批判や文句は誰でも言えます。

リーダーとしての苦労を経験している人は、リーダーの気持ちと苦労や目的を理解しやすいために、メンバーとしてもよい構成員になる確率が上がります。

選考時にどれくらい重視するかは会社によって分かれるところですが、新卒でも中途でもぜひ、面接でリーダー経験を尋ねるようにしましょう。

たとえ、十人程度の飲み会や旅行の幹事であっても、意見をまとめる苦労があります。新卒でも部活の主将などリーダー経験の参考になるでしょう。

【■POINT■一般スタッフの採用でも、リーダー経験を尋ねてみよう。

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