日本は人口の減少によって、将来的にスタッフの確保が難しくなっていきます。数だけが目標であれば、選ばなければ達成できるでしょうが、本書をお読みになる人はそうではないでしょう。確保すべきは優秀な人材です。
その優秀な人材は、企業同士の取りあいとなりますし、インターネットの普及により、転職活動は大きく変わっています。
このような時代の波を意識した採用活動をしなければ、採用力で他社と大きな差がつき、将来の採用活動は現状よりも厳しくなります。
今後は、理念共有型の感情採用をおこなう企業と、雇用条件だけの条件採用をおこなう企業というように、採用活動はさらに二極化していくでしょう。
当然ながら、理念や価値観による感情採用手法のほうが有利となっていき、価格競争が起こっている業界と同じく付加価値をつくらなければ未来が厳しいのです。
さて、あなたはパートの採用をどう考えていますか?パートも就業時間数によっては、雇用保険や社会保険に入らなければいけません。そうなれば時給制というだけで、実質は正社員と変わりません。
ところが、雇用形態の名前が違うだけで、ほとんどの場合、モチベーションが違います。
例えば、一日五時間だけ働いてほしい場合、普通の会社ならパートやアルバイトを募集します。学生を採用したいのなら、それでもよいかもしれません。
しかし、そうでないのなら、「短時間勤務の正社員」という選択肢もぜひ検討してください。募集の際に、ターゲットとしていただきたい人がいます。
それは、小さなお子さんのいる主婦層です。実は、この層には、出産前や結婚前までは、大企業や第一線でバリバリ働いていた方々がいるのです。
「子供のことを考えると、フルタイムでの勤務は難しい。でも、家計補助や社会との接点のために、近所のパートの仕事をしている」という人は多いのです。
ここに非常に優秀な層が隠れています。
弊社ではキャリア主婦層という言葉を使っていますが、このような主婦層に対して、子供のことを考えた働きやすい勤務形態や環境を用意することが大事です。
出社時間をずらして七時~十四時という就業時間を用意するなど、就業時間やパートへの固定概念を捨てましょう。
今後の日本企業を襲う労働人口減少の対策としてここをどう考えるかが重要です。
第四章のまとめ(あなたはこの章で以下のことを学びました)
- 育てる事を視野に入れた人材像の設定がポイントになる。
- 企業理念に共感したかどうかが、重要な採用基準である。
- 人間力を重視した採用活動と選考方法を取り入れる。
- 異業種や異職種からの転職者を迎え入れよう。
- 専門スキルとは知識×経験。中途採用であれば、業務経験をしているのは当然。知識をどう学んだかも確認しよう。
- 専門スキルによるハロー効果が、中途採用で失敗しやすい理由である。
- ピラミッドの法則をもとに、重点的に人間力を確認する。
- 性格は就業時間だけで変える事はできない。
- 伝える力や発信力、気が利く力があるかを面接で確認しよう。
- リーダー経験をもっている人には、ポイントを加点する。
- 応募者の好かれ力、喜ばせ力、行動力を面接で意識して見よう。
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