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体験入社

これも「初めての面接でも欲しい人材を見抜くことができる採用面接マニュアル」に書いたノウハウです。

マニュアルの売れ行きと共に、徐々に世の中に浸透しています。

応募者が実際の仕事を体験して、その仕事への適性を見られる方法です。

雇用のミスマッチや入社後すぐに退職する不幸な求職者を減らすためにも、日本中の企業に導入してほしいという願いで、本書で公開することにしました。

体験入社とは、読んで字のごとく、実際に職場や仕事を体験してもらうことです。

この体験入社を、最終面接に合格し、入社を希望する人を対象におこなうことで、雇用のミスマッチや入社後の早期退職を劇的に減らすことができます。

詐欺的な求人をしているようなやましい会社でない限り、導入しない理由はないでしょう。

採用で最も気をつけるべき失敗は、何度も選考を重ね、せっかく苦労して採用した人が入社後に、「この職場は自分には合わない」と感じて退職することです。

この損失額に関しては、『採用の教科書1』や第一章で書かせていただきました。

採用活動がゼロに戻るどころか、採用にかかった時間や費用、労力などがマイナスとなります。しかも失われた時間は二度と返ってきません。

だからこそ、入社した人には、「自分はこの会社に合う」と感じていただき、長く働いてもらう必要があります。

その方法として、「入社後に思っていたのと違う」とお互いに失望しないために、積極的に体験入社を導入しましょう。

具体的には、二日間アルバイトとして給与を支払うことを条件に働いてもらい、仕事や社内の雰囲気が合うかどうかを応募者に判断してもらいつつ、採用する側は応募者の社内での適性を見るのです。

先ほどの食事面接も、この期間でおこなうことも可能ですし、ほかのスタッフからも意見や感想を聞くことができます。

そうして、職場のスタッフがOKを出し、応募者も会社を気に入るなど、お互いが納得した場合にのみ、選考合格=内定とします。

これは、企業側だけにメリットがありそうですが、実際は応募者にもメリットがあり、各都道府県の失業率改善のためにも広まってほしい手法です。

では、応募者側のメリットをご説明します。

就職活動中の学生は、新卒として入社した会社で一生が決まることがあります。

会社説明会や求人票などに記載されていた内容と、現実がまったく違うなどの理由で退職をしたとしても、履歴書に傷がつくのです。

再就職時、第二新卒となると非常に厳しくなります。

国としても若い失業者を増やすことになり、国力低下も起こります(今実際に、起こっています)。最も就職しやすい学校卒業時に入社できる就職先は一社のみです。

日本の将来のためにも、この最初の一社は慎重に選んでほしいと思っています。

体験入社時に、この仕事は自分には無理だと思ったら、辞退をして、学生の間にほかの就職先を探せばよいのです。卒業後、四月以降に退職し、再就職活動をするよりは、まだ就職先を選ぶことができます。

行政や学校側も卒業生を失業者にしないためにも、体験入社の導入を、積極的に企業側に求めていただきたいと願っています。中途採用の場合も同様です。

「次こそはずっと働ける会社に転職したい」と転職希望者の皆さんが思っています。

実際にその職場でやっていけるかどうか、自分に合うかどうかを確認できる最もよい方法は、体験入社です。

もし、転職するために前職を退職するのであれば、既に退路がありません。特に、家族がいる人などは単に「転職に失敗した」では、すみません。

中途の応募者であれば、組織を比較できるので、体験入社をすれば、自分に合うかどうかは新卒よりも分かるはずです。

企業側にもメリットがあるので、内定後、応募者から体験入社を交渉してみるのも一つの手ではないでしょうか。

企業側のメリットはあえてご説明するまでもないと思いますが、何名も採用しないのであれば、普通は内定者が出たら、採用活動を終了します。

しかし、雇用のミスマッチが起きれば、再度、再開しなければいけません。もし、体験入社で辞退をされたとしても、入社後に退職されるよりははるかにマシです。

さらに体験入社で見える応募者の情報は、面接の比にならないほど多いのです。

会社のためにも、応募者のためにも、社会のためにもぜひ、本書を読まれたら体験入社を導入してください。導入は難しくありません。

あなたが経営者や人事担当者であれば、その導入の勇気と決断が、確実に会社の将来に目に見える差を生むということが分かるはずです。

【■POINT■退職されるよりは、辞退されたほうがよい。体験入社で判断しよう。】

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