『採用の教科書1』および本書で書いているとおりにあなたが採用行動を実行したとしましょう。
会社の明確な経営理念も文章でできていて、雇用条件ではなく、理念や価値観の共有を目的とした自社の採用ホームページもできているはずです。
理念共感型の採用ホームページ(感情採用)を作れば分かりますが、応募前の時点であなたの会社のファンになっている人から応募があります。
つまり、志望動機の強い人たちが増えるのです。
この「会社や経営者のことを好きかどうか?」ということは、入社後の定着率や成長、仕事への姿勢に影響を与えます。
人は嫌いな人のために何かをしてあげたいとは思いません。会社が嫌いなら、仕事でも最低限のことだけをするようになります。
しかし、会社のことを好きであれば、好きな会社で長く働きたいし、存続させたい、自社製品を広めたいと思いますし、「この人についていきたい」という風になりますよね。
どれだけ頭がよくても、スキルがあっても、会社への思い入れがなければ、人はほどほどにしか働きませんし、いつか何かの理由で辞めます。
また、会社を好きではない頭がよい人は、社内で問題を起こしやすいのです。
だから、会社の理念や価値観に共感し、会社のことが好きかどうかということは、社員になってもらう上で非常に重要な選考基準です。
しかし、会社の理念や価値観が採用ホームページのどこにもなく、伝えてもいなければ、応募者は知る方法がないので、当然ながら共感もできません。
結果、離職してしまう可能性も上がり、雇用のミスマッチが生まれやすくなります。
ですから選考で、理念への共感を見るためにも、求人や選考の段階で確認を繰り返し、理念と価値観、経営者の想いを伝えないといけません。
- 会社がどういう想いで運営されていて、誰のために、何をする会社なのか?
- 逆に何をしないと決めている会社なのか?
- そして、そう考えた理由は何なのか?
- 経営者はスタッフの生活や人生をどう考えているのか?
- あなたの会社で働くと、社会にどう貢献できるのか?
- その証拠は?
など、あなたの会社が求人媒体で伝えるべきは、雇用条件ではなく、これらなのです。給与や福利厚生、休みなどだけを見ている応募者を相手にしてはいけません。
自社の理念と価値観に共感する人材のみを雇いましょう。当然ながら、選考や面接でもこのポイントはしっかりと見ていく必要があります。
「当社の理念を読んでどう思いましたか?」「当社の価値観にあなたが合うと証明できる事例をあげていただけますか?」などの質問も面接で導入してよいでしょう。
【■POINT■理念と価値観に共感する人材だけを社内に集めよう。】
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