読んで字のとおり、「人に好かれる力」に関してのお話です。人に好かれるかどうかを、求める人材像として明確に決めている会社は少ないかと思います。
「ピラミッドの法則」の〝いい人〟の箇所でも少しご説明したように「他人に好かれる人を採用したほうがよい」ということに疑問を感じる人は少ないかもしれませんが、重要な事なので、もう少し説明します。
嫌われるまではいかなくても、「他人に好かれない人」ばかりの職場はどうですか?スタッフが会社を辞める三条件でもご説明しましたが、「人間関係」で辞める人は多いのです。
人に好かれないということは、その人に人気もなければ興味もないわけですから、スタッフ同士で必要最低限しかかかわりません。
そうなると、コミュニケーションが希薄になります。食事中なども相手に興味がないから会話も弾まないかもしれません。歓送迎会など飲み会も当然、参加率は悪い。そんな職場の雰囲気は容易に想像できると思います。
このような職場を経営者も作りたいと思っていませんよね。
どちらか選ぶのであれば、「好かれる人が多い職場」がいいのはお分かりになると思います。
面接官としての教育を受けていない多くの面接官は、自分が好きか(もしくは、気に入ったか)、そうでないか(さすがに嫌うことはほとんどありません)という判断をしているでしょう。
それを否定するわけではありませんが、あなたはよくても、あなた以外の人が気に入るかどうか?という視点は常に必要です。
「この人は、部署や社内、お客さんから好かれるタイプかな?」と選考では意識しましょう。その際、人に好かれる要素を分析していく必要があります。
どんな人が他人に好かれるのでしょうか?嫌われないタイプの人というのがいます。好感度№1というような人です。
結論から言えば、人間力が非常に高い人ですが、実際の選考では、これだけの基準だと不明確なので、判断ポイントとして例をあげていきます。
- 「裏表がない」
- 「人を否定しない」
- 「あいづちが多く、共感してくれる」
- 「人の悪口を言わない」
- 「人の話をよく聞く(聴き方が上手)」
- 「素直に人をほめることができる」
- 「感謝するのが上手」
- 「プライドが高くなく、自分を謙遜することもできる」
- 「さわやか」
- 「笑顔」
- 「雰囲気がよい」
- 「マイナスオーラを放ってこない」
- 「気が利く」
- 「笑いもとれるトーク技術」
- 「異性にも魅力があるので、ある年齢になると結婚している」
- 「仕事とプライベートなどオンとオフで性格に差がない」
- 「損得以外でも行動する」
- 「いつも不機嫌そうにしていない」
- 「知ったかぶりをしない」
- 「謝り、きちんと非を認める」
- 「言っていることとやっていることに矛盾がない有言実行タイプ」
などです。
これらの中には共感できない項目もあるかもしれませんが、あなたの周囲で好かれている人や好感度の高い芸能人などを想像していただければ、だいたい多くが該当するかと思います。
逆に、嫌われている人はこの逆の行動をしているのではないでしょうか。
この「好かれ力を持っている人」とは、コミュニケーション力が非常に高い人であり、また、トータルで見て、人間力が高い人であるといえます。
スキルや頭脳がずばぬけている=好かれるというわけではなく、人に好かれる人=社内で成功し結果を出す人のようにイコールにはなりませんが、好かれ力を持っている人が社内に多いほうがよいことは、先ほどご説明したとおりです。
選考を通じて、「この人は職場やお客さんから好かれるかどうか?」という点を常に頭の片隅に置いておくなり、面接シートに評価項目として記載しておくと、選考時にもこういう視点を忘れずに面接の標準化ができます。
ピラミッドの法則でご説明した「いい人と思うかどうか」の中で、さらに上位の層が、この「好かれる人かどうか」です。
人の悪口を言わず、同性の友人も多く、人を素直にほめることができる人は、人に好かれる要素を持っている可能性が高いのですが、前ページの好かれる性格を、三十分や一時間の面接二~三回だけで見抜くのは、不可能に近いことです。
そこで、第五章でお話する「食事面接」を活用してください。
こちらを導入するだけで比較的、楽に見抜くことができるようになります
【■POINT■どういう人が好まれるかが分かれば、その条件に合った人を採用すればよい。】
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