タイトルにある「仲のよい組織」を作ることについて、あなたはどう思いますか?経営上よいことでしょうか?悪いことでしょうか?これは各人が勤務していた環境、経験、社風が影響を与え、スタッフ同士が仲のよい組織(会社)に対して、賛成派と反対派の二つに分かれます。
反対派の中には、「仕事に私情やプライベートを持ち込むと邪魔になる」という考えを持つ経営者やスタッフもいるでしょう。しかし、そういう組織の離職率はどうでしょうか?結局は人材が流出し、欠員補充の採用活動をおこなう自転車操業の会社になりがちです。
人間関係のない職場には、スタッフの感情や人間心理が加味されていないのですから、当然の結果です。
また、仲のよい組織作りに反対の考えを持つ経営者や上司は、スタッフから慕われていない人が多いのもポイントになります。
誰も、スタッフ同士の仲が悪い会社や、嫌いな人ばかりの職場で一日のほとんどを過ごしたいわけがありません。どれだけ優秀な人を採用しても、職場の雰囲気が悪ければ、転職していきます。
だから、「仲のよい組織を作らなくてはいけない」もしくは「仲のよい組織のほうがよい」というのは、経営上、従業員満足度という観点からも当たり前のことなのです。
誰かが仕事で困っていても助けない手伝いもしない。教えても感謝されない。評価もされない。
そうなると、スタッフは、われ関せずと自分の仕事ばかりします。そして会社の教育力が弱くなります。こうなると組織ではなく、会社だけれど、ただの個人の集まりになってしまいます。
お気づきとは思いますが、前項の「教えあう文化」の浸透も、この項と関係しています。
人は楽しい場所が好きです。嫌な仕事は我慢できても、嫌な空気や嫌な職場はやがて我慢しきれなくなります。
スタッフ同士の仲が悪かったり、職場の雰囲気が悪いことを経営者も望みません。
つまり、誰も望んでないわけです。しかし、実際にコンサルの現場でスタッフから話を聞くと、仲の悪い職場や部署は結構あります。社内の雰囲気をよくするために、会社として何をすべきか考えましょう。
仕事上のコミュニケーションをとることはもちろん当然ですが、休日などプライベートでも、一緒にどこかで遊べるような人が社内にいると、職場でも共通の話題が増えるので、会社の雰囲気がよくなります。
また、私は飲み会でのコミュニケーションや、イベントなどでの社員共通の思い出作りも大事だと考えています。
飲み会(ノミニケーション)に関しては賛否両論あるでしょうが、いろいろな話をして、お互いが理解を深めるには、よい機会だと思います。
ある程度の社員数の会社ならば、会社がクラブ活動などを推奨してみるのもよいでしょう。スタッフ同士で仲良くなってもらえるのなら、このようなものに使う補助金などは投資となります。
大企業と中小企業は違うのです。
社員数が少ないから、スタッフ同士が全員の顔と名前を認識していますし、プライベートの変化なども社内にすぐに広がります。
ギスギスしていなく、仲のよい会社を目指しましょう。
多くの会社の内部に入って、客観的に見てきましたが、仲のよい組織は、やはり定着率がよいものです。
大企業と中小企業が違う特徴として、中小企業はスタッフが少ないために、一人当たりの社内影響度が高いことも覚えておきましょう。
たった一人嫌な人がいるだけで、その人がいると社内全部の雰囲気が悪くなることもあります。
そもそも人間的に魅力のある「いい人」は、社内にたくさんいますか?今後、入社してくる人に関しては、『採用の教科書1』や『初めての面接でも欲しい人材を見抜ける採用マニュアル』の手法を使って、人間的にいい人を採用してください。
職場で嫌われそうな人を今後絶対に採用しないことです。
しかしもし、過去の採用の失敗により既に問題社員がいたら、顧問の社会保険労務士に相談するなど対策も必要です。
この項のような意見を書くと、どうしても「仲がよすぎると、なれ合いができてしまう」という意見をお持ちの方も一部いらっしゃいますが、逆に仲が悪ければ、なれ合いはなくても離職が起こります。
どちらか極端に偏るのではなく、役職による指揮系統や規律を乱さないようにしながらも、仲のよい組織作りをしましょう。
【■POINT■スタッフ同士の仲をよくするために、何ができるか考えてみよう。】
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